この記事で整理すること
- 会社がなくなっても残ってほしいもの、託したいものを書く
- 気に掛かっている人と、まだ確かめていないことを分ける
- 次に誰と話すかを一つ決める
この10の問いの使い方
問いは、残ってほしいもの、気に掛かっている人とまだ確かめていないこと、引き継ぐときに託したいこと、経営から離れた後の自分の四つに分けています。順番どおりに答える必要はありません。すぐ書ける問いもあれば、何日たっても書けない問いもあると思います。書けない問いには、「まだ書けない」と書いて残しておけば十分です。
書いた紙には日付を入れて残しておきます。しばらくして読み直すと、自分の気持ちや状況がどう変わったかが分かります。家族や信頼できる人に見せるかどうかは、ご自身で決めてください。営業をやめてから清算が終わるまでの手順は、会社をたたむ手順と確かめることを一枚に並べた記事にまとめています。この記事は、その手前で考えるためのものです。
残ってほしいものを聞く
残ってほしいものは、会社の形とは別に考えられます。技術、屋号、取引先との関係、社員の働く場所、仕事の進め方など、会社を閉じても残せるもの、誰かに引き継げば残るものがあります。先に書いておくと、閉じる案と引き継ぐ案を比べるときの目印になります。
- 問1 会社の中で、これからも残ってほしいものは何ですか。
気に掛かっている人と、まだ確かめていないことを聞く
気に掛かっていることは、人の顔と一緒に浮かぶことが多いものです。社員について考えるときは、「従業員」とひとまとめにせず、一人ずつ名前を思い浮かべてみてください。本人がどう考えているかは、聞いてみるまで分かりません。伝える前に確かめる手続きや話す内容は、会社をたたむことを社員にどう伝えるかの記事にまとめています。
心配していることの中には、確かめればはっきりすることもあります。借入に経営者の個人保証が付いているか、手元のお金で今の支払をいつまで続けられるか、などです。保証の書類がどこにあるかだけでも分かると、心配の大きさが変わることがあります。保証の整理には「経営者保証に関するガイドライン」という公的な指針があります。金融庁と中小企業庁が作った経営者向けのパンフレットでは、早めに相談するほど取り得る選択肢が広がるとされています。使えるかどうかには条件があります。まずは、取引のある金融機関や専門家に相談してみてください。支払が難しくなりそうなときの考え方は、「廃業できない」と感じたときに理由を分ける記事にまとめています。
家族については、どこまで話しているかと、自宅、保証、収入など家族の暮らしにかかわることを分けて書きます。伝えたいことだけでなく、聞いておきたいことも書いておくと、話すきっかけになります。
- 問2 いま一番気に掛かっているのは、誰の、どんなことですか。
- 問3 心配していることのうち、まだ確かめていないことは何ですか。
- 問4 社員本人に、まだ聞けていない希望はありますか。
- 問5 家族に伝えたいこと、聞いておきたいことは何ですか。
引き継ぐなら、託したいことを聞く
会社を閉じる前に、継いでくれる人や買ってくれる相手がいないかを確かめる道もあります。誰かに引き継ぐなら、何を託したいかを先に言葉にしておくと、相手と話すときの軸になります。売却を考えるときの準備は会社売却の前に資料と希望条件をそろえる記事に、公的な相談窓口は中小機構の事業承継・引継ぎ支援センターの公式一覧にあります。
引き継いだ人が、自分とは違うやり方を選ぶこともあります。そのとき、変わってもかまわないことと、話し合いたいことを分けて書いておくと、託すものがはっきりします。
- 問6 誰かに引き継ぐなら、何を託したいですか。
- 問7 引き継いだ人が自分と違うやり方を選んだら、何を話し合いたいですか。
経営から離れた後の自分と、次の一人を聞く
会社を閉じても、引き継いでも、経営から離れた後の毎日は続きます。どんな一日を過ごしたいかを書いておくと、いつごろ、どのように離れたいかを考える手がかりになります。
自分の仕事の歩みを知っていてほしい人がいるなら、写真や声で記録に残す方法もあります。やり方は写真・声・一冊の本にする方法の記事にまとめています。問10は、次の一歩を決める問いです。全部の答えがそろっていなくても、次に話す一人と、その人に聞きたいことは決められます。
- 問8 経営から離れた後、どんな一日を過ごしたいですか。
- 問9 自分の仕事の歩みを、誰に知っていてほしいですか。
- 問10 次に一人だけ話すとしたら、誰に何を聞きますか。
書いた後に、次に開くもの
10の問いを書いても、会社を閉じるかどうかの答えがすぐに出るとは限りません。それでも、誰に話したいか、何を確かめればよいかは、書く前より少し見えてくることがあります。費用を知りたくなったら会社をたたむ費用の内訳をまとめた記事、手続きを知りたくなったら法人の廃業手続きの一覧へ進んでください。
答えが出ない問いは、そのまま残しておいてかまいません。話してみようと思えたときに、問10に書いた一人に、この紙を見せるところから始められます。
確認リスト
0 / 7 項目を確認済み
出典・確認日
- 金融庁|「経営者保証に関するガイドライン」に基づく保証債務整理に関する経営者向けパンフレットの作成について(令和5年12月13日) ↗確認日:2026-10-27
- 中小機構|事業承継・引継ぎ支援センターの公式一覧 ↗確認日:2026-10-16
制度の対象・期限・地域ごとの扱いは、必ず最新の公式案内でご確認ください。本文は一般的な情報と、資料を整理する手順です。個別の法律や税金の判断はしていません。