この記事で整理すること

  • お金、人、契約、手続きのどこで止まっているかを分ける
  • 支払期限が近い事情は、資料の完成を待たず共有する
  • 財産で債務を払いきれない疑いがあれば、通常清算で閉じる前提にしない

困りごとを、事実と心配に分ける

「借入の残高が分かる」「来月の支払予定がある」は確認できる事実です。「取引先が怒るかもしれない」「費用が足りない気がする」は、まだ確認していない心配を含みます。どちらも大切ですが、同じ欄に書かず分けると、次に何を確かめるかが見えます。

一枚の紙を、お金、人、契約、手続きに区切り、困っていることを短く書きます。解決策をその場で決める必要はありません。手元に資料があるものと、誰かに聞かなければ分からないものを区別してください。

支払日と手元資金を先に書く

通帳の残高、直近の入金予定、給与、賃料、借入返済、税や社会保険料などを日付順に並べます。金額や期日が分からない項目は未確認と書き、督促や支払に関する書類がある場合はまとめておきます。

支払が難しいと感じたら、通常清算の費用を調べるより先に、資金と債務の状況を弁護士に伝えてください。財産で債務を払いきれない疑いを、法律では「債務超過の疑い」と言います。解散した株式会社にこの疑いがあるときは、清算人は裁判所に特別清算の開始を申し立てなければなりません(会社法511条2項)。払いきれないことが明らかになったときは、清算人は破産手続開始の申立てをしなければならないとも定められています(484条1項)。その場合に特別清算を使えるかどうかは、事情によって変わります。債務超過の疑いがないと分かれば、通常清算で進められる場合もあります。なお、合同会社には特別清算がありません。払いきれないことが明らかになれば、破産の申立てになります(会社法656条1項)。どの手続きで進めるかは、弁護士に確かめてください。

相談資料が完全でなくても、差し迫った支払や連絡は先に伝えられます。財産の移転や支払の順番は、決める前に弁護士に確かめてください。

借入と個人保証の書類を分ける

会社名義の借入一覧と、経営者個人が関わる保証等の資料を別にまとめます。金融機関、残高、返済予定、担保、保証の記載箇所を確認し、分からないところに印を付けます。会社を閉じる話と、個人が負う責任の話を混同しないためです。

中小企業活性化協議会の公式案内には、収益力改善・再生に加え、廃業・再チャレンジに関する支援が掲載されています。支援の対象や進め方は、会社の状況によって変わります。利用できるかどうかは、窓口で確かめてください。なお、法テラスの民事法律扶助は、会社や組合などの団体では使えません。経営者が個人として相談する場合は、収入と資産が基準以下であることなどの条件を満たせば、使えることがあります。

人と契約は、伝える順番を検討する

従業員や取引先については、相手、現在の約束、説明が必要な内容、連絡期限の有無を一覧にします。従業員への説明、退職・解雇に関する対応、残っている仕事は、それぞれ確認が必要です。会社を閉じると決めても、これらが一度に片付くわけではありません。

賃貸やリースについては、解約条件と見積もりがまだないのか、相手と意見が合わないのかを分けます。書類が見つからない場合は、その事実を相談メモに残します。契約を切る前に、資料の保存や事業の引継ぎに影響しないかも確認してください。

相談には「決めたいこと」を一つ添える

相談メモの最後には、「債務超過の疑いがあるかを確かめたい」「自社で進められる手続きの範囲を知りたい」「支払が迫る中で先に確認することを知りたい」など、今回整理したいことを書きます。すべてを一度で決めるのではなく、次に集める資料と、誰に何を確かめるかが分かることを目指します。

引継ぎの可能性も並行して考えるなら、事業承継・引継ぎ支援センターの公式一覧を確認できます。このサイトの支出整理表は、確認済みの金額と不明な項目をまとめる道具です。入力した結果から、閉じられるか、売れるか、どの手続きがよいかを示すことはしません。

確認リスト

相談・作業の前に、ここを確認

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作業の進み具合の記録です。完了しても適法性や事業の可否を判定するものではありません。

出典・確認日

  1. e-Gov法令検索|会社法(484条・656条:破産手続開始の申立て、511条:特別清算開始の申立て) ↗確認日:2026-10-16
  2. 法テラス|民事法律扶助(やさしい日本語) ↗確認日:2026-10-16
  3. 中小機構|中小企業活性化協議会による支援 ↗確認日:2026-10-16
  4. 中小機構 J-Net21|廃業するにはどうしたらよいですか? ↗確認日:2026-10-16
  5. 中小機構|事業承継・引継ぎ支援センターの公式一覧 ↗確認日:2026-10-16

制度の対象・期限・地域ごとの取扱いは、必ず最新の公式案内をご確認ください。本文は一般的な情報と資料整理の手順であり、個別の法務・税務判断を提供しません。