この記事で整理すること
- 営業終了日・解散日・清算結了日を同じ日として扱わない
- 支出、入金、人、契約、手続きの確認先を一枚に並べる
- 債務超過の疑いがあるときは通常清算を前提にせず、先に弁護士へ相談する
まず、閉じたい理由と残したいものを書く
年齢、健康、後継者不在、収益の悪化など、会社を閉じる理由を分けて書きます。その隣に、従業員の働く場所、取引先との関係、店名、技術、設備など、残したいものを記入してください。理由と希望を分けておくと、会社を閉じる案と事業を引き継ぐ案を比べやすくなります。
この段階で、売れるかどうか、閉じるべきかどうかを決める必要はありません。引継ぎを検討する場合は、中小機構の事業承継・引継ぎ支援センターの公式一覧から、地域の公的窓口を直接確認できます。
お金は「いくら」と「いつ」をセットにする
現預金、売掛金、借入、未払金、預り金を、帳簿と通帳、契約書に照らして一覧にします。借入残高だけでなく、家賃や人件費など営業終了までに続く支出も加えます。金額の分からないものはゼロにせず、未確認と書き、確認相手を添えてください。
設備の売却代金や敷金の返還予定は、支出とは別の欄に置きます。入金の確定前に支出から差し引くと、支払時点で必要な現金が見えにくくなります。金額が同じでも、日付がずれれば資金繰りは変わります。支払月と入金見込み月は分けて書いておきます。
営業終了に向けた仕事を洗い出す
受注済みの仕事、予約、前受金、保証対応、納品後の問い合わせを一覧にします。最終受注日と最終納品日を分け、誰が最後まで対応するかを決めます。従業員への説明や労務手続きは、事業所の廃止手続きとは別に確認が必要です。
賃貸借、リース、通信、会計ソフト、保険などは契約書を取り出し、解約の通知期限、残額、返却物を確認します。メールや会計データを扱う契約は、解約前に必要資料を取り出せるかを確かめ、手続き中の連絡手段を確保してください。
解散から清算結了までの道筋を押さえる
株式会社の通常清算では、解散の決定、清算人の選任、登記、財産の調査、債権者への対応、残余財産の処理、清算結了に向けた手続きへと進みます。中小機構のJ-Net21は、解散後も会社が清算目的の範囲で存続することを説明しています。営業を止めただけで会社が消えるわけではありません。
登記、税務、社会保険、雇用保険、業種ごとの許認可は窓口が異なります。提出先に加えて、手続きのきっかけになる出来事、担当者、提出済みの控えを同じ表にまとめておくと、途中で人に任せるときにも困りません。
支払に不安があるときは、先に状況を共有する
帳簿の資産額が大きくても、すぐ現金になるとは限りません。支払期限が近い、税や賃金に未払がある、個人保証があるといった事情は、相談の最初に伝えてください。財産で債務を払いきれない疑いを、法律では「債務超過の疑い」と言います。解散した株式会社にこの疑いがあるときは、清算人は裁判所に特別清算の開始を申し立てなければなりません(会社法511条2項)。払いきれないことが明らかになったときは、清算人は破産手続開始の申立てをしなければならないとも定められています(484条1項)。その場合に特別清算を使えるかどうかは、事情によって変わります。債務超過の疑いがないと分かれば、通常清算で進められる場合もあります。合同会社には特別清算がありません。払いきれないことが明らかになれば、破産の申立てになります(会社法656条1項)。払いきれるかどうかは、この整理表では判断できません。どの手続きで進めるかは、弁護士に確かめてください。
中小企業活性化協議会には、収益力改善や再生、廃業・再チャレンジに関する支援があります。公式案内から窓口を確認し、手元の資料と不明点を持参できます。資料がすべてそろうまで、相談を待つ必要はありません。
確認リスト
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作業の進み具合の記録です。完了しても適法性や事業の可否を判定するものではありません。
出典・確認日
- 中小機構 J-Net21|廃業するにはどうしたらよいですか? ↗確認日:2026-10-16
- e-Gov法令検索|会社法(484条・656条:破産手続開始の申立て、511条:特別清算開始の申立て) ↗確認日:2026-10-16
- 中小機構|事業承継・引継ぎ支援センターの公式一覧 ↗確認日:2026-10-16
- 中小機構|中小企業活性化協議会による支援 ↗確認日:2026-10-16
制度の対象・期限・地域ごとの取扱いは、必ず最新の公式案内をご確認ください。本文は一般的な情報と資料整理の手順であり、個別の法務・税務判断を提供しません。