この記事で整理すること

  • 損益、資産負債、手元資金を別々に確認する
  • 残る事業の説明と、債務や保証の整理を分ける
  • 売却検討中も続く支出と支払日を見える形にする

三つの数字を混ぜない

損益計算書で見る赤字、貸借対照表で見る資産と負債の関係、通帳等で確認する現金残高は、それぞれ違うものを表します。赤字額が小さくても、入金前に大きな支払があれば現金が不足することがあります。まずは三つを別の欄に書き分けます。

整理メモには、対象期間、数字の出所、まだ反映されていない請求や入金がないかを書きます。設備や在庫の帳簿額を、そのまま売却可能額やすぐ使える現金として扱わないことも大切です。

赤字の内訳を、事実と仮説に分ける

売上の減少、原材料費の上昇、空き店舗の賃料、一時的な修繕費など、把握できる要因を一覧にします。「この費用がなくなれば黒字になる」という説明は、なくせる根拠が確認できたものと、まだ仮説のものを分けてください。

事業や店舗が複数あるなら、把握できる範囲で売上と直接の支出を分け、共通経費の配分方法を添えます。見通しを明るく書き足すより、分からない項目を「分からない」と書いた方が、何を調べればよいかが伝わります。

引継ぎの材料を、数字以外にも探す

顧客との継続取引、製造や接客の技術、設備、立地、従業員の経験、運営手順など、事業を説明する材料を記載します。価値を約束するリストではありません。相手が確かめるための資料です。名簿の人数だけでなく、実際の取引や稼働が分かる資料を添えます。

経営者が離れると続けられない業務、特定の取引先への依存、修繕が必要な設備も同じ表に書きます。強みだけでなく、引き継ぐのに必要な条件や負担も書いておくと、相手が比べやすくなります。

会社を譲る話と、債務の話を分ける

借入、未払、担保、経営者保証の一覧を作り、返済先、残額、期日、契約書の所在を整理します。「引き継いでもらえば借金もすべてなくなる」と仮定せず、何が誰に残り、どの同意や手続きが必要かを確認事項にします。

資金や財産の処理に関わる判断は、事業を譲る希望だけで進められません。資産を移す、特定の相手への支払を優先するなどの行為についても、状況を共有して確認してください。このサイトでは債務整理の方法や取引の適法性を判断しません。

検討を続ける期間のお金も置く

売却の検討が始まっても、家賃、給与、仕入などは続きます。直近の入出金予定を日付順に並べ、検討の途中で何を更新するかを決めます。成約を前提にした入金を確定扱いにせず、支払に影響する期限を相談先へ伝えます。

引継ぎについては事業承継・引継ぎ支援センター、収益力改善・再生・廃業に関する課題は中小企業活性化協議会の公式案内を確認できます。選択肢を比較する際は、売却だけでなく事業を続ける案や終了する案も同じ資料で検討します。ただし、終了する案には先に知っておきたいことがあります。解散した株式会社に、財産で債務を払いきれない疑い(債務超過の疑い)があるときは、清算人は特別清算の開始を申し立てなければなりません(会社法511条2項)。払いきれないことが明らかになったときは、清算人は破産手続開始の申立てをしなければならないとも定められています(484条1項)。その場合に特別清算を使えるかどうかは、事情によって変わります。合同会社には特別清算がありません。払いきれないことが明らかになれば、破産の申立てになります(会社法656条1項)。終了する案を選ぶ前に、どの手続きで進めるかを弁護士に確かめてください。

確認リスト

相談・作業の前に、ここを確認

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作業の進み具合の記録です。完了しても適法性や事業の可否を判定するものではありません。

出典・確認日

  1. 中小機構 J-Net21|廃業するにはどうしたらよいですか? ↗確認日:2026-10-16
  2. 中小機構|中小企業活性化協議会による支援 ↗確認日:2026-10-16
  3. 中小機構|事業承継・引継ぎ支援センターの公式一覧 ↗確認日:2026-10-16
  4. e-Gov法令検索|会社法(484条・656条:破産手続開始の申立て、511条:特別清算開始の申立て) ↗確認日:2026-10-16

制度の対象・期限・地域ごとの取扱いは、必ず最新の公式案内をご確認ください。本文は一般的な情報と資料整理の手順であり、個別の法務・税務判断を提供しません。